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入試英語の英文はすらすら全訳できるものではない? [英語長文 パラグラフリーディング]

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前の記事で、評論文の性質と英語におけるパラグラフの重要性がわかってもらえたでしょうか?

これからは漫然と英文を一行一行訳していくのではなく、パラグラフごとに立ち止まって、筆者のイイタイコトを大きく理解していく意識を持つことが重要です。でもこんな質問をしてくる人もいる。

『結局全ての英文を訳せるから筆者のイイタイコトがわかるんじゃないの?』

それは「ちょっと待った!」だね。そりゃあ英文を読んですらすら全訳が頭に浮かぶ人=英語を日本語のように読める人がいれば、もちろんどこの大学でも受かるよね。

ところが、みんなの読む英文、特に難関大が出題する英文は、質も量も超一級品のものなんだ。詠んですらすら正確な全訳がいえるようなしろものではない。

では、どうすれば難解な英文でも筆者の最終的な主張やパラグラフごとの筆者のイイタイコトが読み取れるようになるのだろうか。それは、今回説明する『評論文頻出の論理展開パターンを理解する』ことです!

評論文において、筆者はなんらかのテーマについて、自らの主張を行うわけだけれど、ただ漫然と自分の主張を行うわけではない。

受験問題に出題される評論文はプロの書いた文章です。そのプロの書いた英文の最大の特徴は、『論理展開がしっかりしている説得力のある文章』だということです。

たとえば、その英文全体のテーマについて筆者が最終的に主張したいことを、なんらかの具体的なデータを挙げてサポートしたり、対比を使って主張点を明確にしたり、また比喩や言い換えを効率的に用いたり、表現自体も「子供の幼児な作文」ではなく『知識のある大人の鑑賞に堪える高尚な英文』に仕上げていきます。

実は、この評論文におけるしっかりした『論理展開』に目をつけて、それを読解に応用するのが『パラグラフリーディング』です。評論文は『論理的な文章』で書かれていることが前提となっていることがわかりましたよね。

実は、人間の用いる論理展開というのはそれほど多様性はなく、パターンが決まっているのを知っていますか。

つまり、評論文を読むために、まず『人間の用いる論理展開のパターン』を整理して、頭に入れておけば、それを利用して英文全体のテーマに関する筆者の最終的な主張やパラグラフごとの筆者のイイタイことが素早く読み取れたり、未知の語句を類推できたり、問題が解けたりするわけです。

では、評論文に出現する論理展開パターンとはどのようなものがあるでしょう?

その3つの論理展開パターンを説明しましょう!





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その1 『抽象⇒具体』の論理展開

英文の論理展開の基本は『まず抽象的・一般的なことを述べ、その後で具体的な説明をする」ということです。。

例えば、「現代では森林が大変なスピードで破壊されている」といったことを述べた場合それだけで終わるのではなくその後に「たとえばボルネオでは焼畑農業により毎年2万ヘクタールの森林が破壊され・・・・」といった具体的な記述を行うことがよくあります。

このように具体的な事柄を述べることによって、筆者の最終的な主張やパラグラフごとの筆者のイイタイコトが読者にわかりやすく伝わるし説得力も増すことになるよね。

今後このような論理展開を『抽象⇒具体』と呼ぶことにしましょう。

『抽象⇒具体』の論理展開例

森林破壊のスピードが速い(抽象)
        ↓
ボルネオでは毎年2万ヘクタールの森林が破壊(具体)


その2 『対比・逆説』の論理展開

評論文はあるテーマについて筆者が自分の主張を行う文章だと説明したけれど、何かある事柄を読者に伝える場合、その事柄と対照的な事柄を述べることによって理解しやすくなるし、説得力も増す場合があります。

例えば「女性の社会進出」について議論する際に、「アメリカでは女性の地位は高い。一方日本では女性の地位はまだまだ低い」という2つの対照的な事柄をのべ、比較しながら論を進める場合もあるし、先ほどの「現代では森林は大変なスピードで破壊されている」と過去と現代とでは全く逆の状況だと述べることで、今の状況を鮮明に浮かび上がらせたりする場合があります。

今後このような論理展開を『対比・逆説』とよぶことにしましょう。

『対比・逆説』の論理展開例
アメリカでは女性の地位は高い⇔日本では女性の地位はまだ低い



その3『因果関係』の論理展開

この世の中は「因果関係」つまり「原因」と「結果」の関係で成り立っているよね。何かある事柄が起こればそれが原因となって新たな結果が起こり、またその結果が新たな原因となり次の事柄が起こっていくのが世の常だ。実は、評論文のような論理的な世界では、この因果関係が特に重視され、頻出することになります。

例えば、「現代では森林が大変なスピードで破壊されている」といったことを述べるとどうなるだろう。「それが原因で待機中のCO2が増え、さらにそれが原因で地球の温暖化につながっていく」といった具合に、その次に次々と起こる結果を述べていく展開になることがよくあるはずです。

今後このような『原因⇒結果』の論理展開を『因果関係』と呼びことにしましょう。

『因果関係』の論理展開例
現代は森林破壊のスピードが速い(原因)
      ↓
大気中のCO2が増える(結果=新たな原因)
      ↓
地球の温暖化(結果)

以上、この3つの論理展開パターンが評論文では特によく出てくるということと、評論文を読む際に『論理展開を意識して大きな流れを読み取る』ことが非常に重要であることを頭に入れておいてほしいです。

なお、『抽象⇒具体』、『対比・逆説』、『因果関係』の3つの論理展開は、文同士で構成されている場合もあれば、パラグラフ内部で構成されている場合もあれば、パラグラフ同士で構成されていることもあるから気をつけましょう!!
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